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トルコ料理の特徴。素材や食べ方などについてのご紹介。

世界三大料理のひとつと言われるトルコ料理にとって、一番欠かせないのは、
ヨーグルトとトマトでしょう。ヨーグルトの語源はトルコ語のヨウルトゥで、
今でもトルコ人の一人当たりのヨーグルト消費量は世界一だそうです。
トマトは生で、焼いて、あるいは煮込みのソースとしても大活躍。
トルコ人にとってヨーグルトやトマトは、日本人にとっての醤油や味噌のように、
料理のソースの基本と言えます。

最近、日本ではトルコ料理と言うと、ファストフードのドネルケバブなどが知られてきていますが
普段のトルコ人の食卓には、本当に多くの野菜や豆類が 登場します。

 一般的に食事のスタートはスープから。トルコには美味しいスープが沢山ありますが、
その中でも代表的なのがレンズ豆のスープ。
家庭によって、スパイスの使い方も様々で、その家にはその家なりのレンズ豆スープがあります。
次にメゼ(冷菜)は、トルコ酒のラク(干しぶどうの蒸留酒)などと共にいただきます。
ヨーグルトをベースに様々な野菜や豆をペースト状にしたメゼは、熱々に焼けたパンに載せて食べます。
そして煮込み料理。もっとも、お袋の味を感じられるのがこの煮込み料理でしょう。
わたしの店でも、日本に住んでいるトルコ人に煮込み料理を出すと、食べているうちに
郷愁の念にかられるのか、時おり涙ぐんでしまう人もいます。使う素材は様々ですが、
子羊肉や鶏肉、ズッキーニ、茄子などが多く使われます。
シシケバブ(ソースに寝かせ、スパイスを効かせた子羊、牛、鳥肉などを串に刺して焼く料理)は、
家の中では出来ないので、週末の楽しみであるバーベキューや、ケバブ専門店で食べます。
トルコでは、どんなに田舎の村へ行っても、ケバブ屋だけはあります。


トプカプの料理の、味の要となる<お母さんのペースト>のお話。

簡単に言えば赤パプリカのペーストですが、市販のものと自家製のものでは、全然、味が異なるので、
南トルコのわたしの実家では毎年、夏になると母が大量の赤パプリカを買ってきては、
赤パプリカペースト作りが始まります。購入するパプリカは、なんと300kg。
一般家庭の量としてはあり得ないほどの量ですが、わたしのお母さんの赤パプリカペーストは、
近所や親戚の人々から大好評を得ていて、いつも夏が近づくと、何十もの家族から
「今年はいつ作るの? 手伝うよ」と連絡が入ります。
そして主婦たちが集まって、皆、手を真っ赤にして手伝ってくれるのです。
家の屋上いっぱいに布を敷いて、様々なスパイスと一緒に捏ねた赤パプリカペーストを
薄く広げて1週間から10日間、天日干しにします。
湿気が少なく、雨が少ない南トルコの暑い夏の中、一日一日経つごとに、ペーストが熟成してゆくのです。

店長ユナールのプロフィール

トプカプの料理のヒミツ

ふるさとトルコのよもやま話です。